たった今、新潟でのプレシーズンゲーム、レイクスがOTの末に敗れれたとの情報が…
しかし、プレです!早くホームでの開幕を迎えたいですね。あと、2週間足らずですよ!声の調子を整えましょう
さて、スポーツジャーナルという日本体育協会が出している雑誌に「おカネ」で見るスポーツ現場という連載があり、直近刊行号のテーマが「
bjリーグの貴重な挑戦」でした。
bjに最大限の関心寄せる人には興味をそそられるタイトルですが、この雑誌は非売品ですので、多くの人にの目に触れずに終わってしまいます。勿体ないので、内容をかいつまんで紹介したいと思います。
筆者 澤井和彦氏(江戸川大学 社会学部経営者社会学科)
bjリーグとJBL
2005年に開幕したbjリーグは今シーズン16チームとなり拡大しているが、高松ファイブアローズの運営会社が倒産するなど、経営は順調とはいえないようだ。
一方、JBL(日本バスケットボールリーグ)は、8クラブ中6クラブが企業スポーツクラブである。企業スポーツ選手は企業の正社員である。
新潟アルビレックス
bjリーグが設立される直前のJBLには、親会社が撤退して企業クラブからプロクラブへ移行した新潟アルビレックスが参加していた。営利企業である新潟アルビレックスは、興行を行って収益を挙げなければ、選手のサラリーを払えないが、企業クラブは興行を行う必要がない、とうよりはできない。
当時、JBLは主に各地区協会が主催する全国巡業でリーグ戦を行っており、新潟は、現在のbjリーグの様な十分なホームゲームを確保できなかった。
bjリーグの立ち上げ
JBL自体は1990年代中ごろからプロ化を志向していたが、企業クラブの 反対で実現に至らず、業を煮やした新潟と、2部に所属していたプロクラブのさいたまブロンコス(現、埼玉ブロンコス)がJBLを脱退してbjリーグを設立した。
参加クラブの減少とライバルの出現に直面したJBLも、その後新しくプロクラブを加え、ホーム&アウェイ方式のリーグ戦をスタートさせた。しかし、相変わらずJBLのほとんどの企業クラブはJBLの内部の興行運営セレクションに興行を委託している。
ふたつのリーグ、選手待遇の違い
今年、両リーグは将来的に統合を目指すことで合意したと報じられているが、制度的な溝は深い。
両リーグの年間運営費はともに2~4億円と言われるが、興行を行わないJBLの企業クラブは専属のスタッフを持たない場合も多く、運営費のほとんどが選手やコーチの人件費である。
一方、bjリーグのプロクラブは、一般管理費などに加えて宣伝費や運営費などの割合が高く、サラリーキャップで選手の人件費総額を7,300万円(2009年)に制限している。
このことが、両リーグの選手の待遇にかなりの格差を生んでいる。筆者(
tomoyuiではないですよ)の独自の調査によれば、企業クラブの選手の報酬は嘱託契約選手で450~1,500万円、プロ契約選手で1,000万円から日本代表クラスで2,000万円にもなる。正規社員の選手は同年代の一般社員と同様の300~700万円だが、これに福利厚生と引退後のキャリア保証がつく。
一方、
bjリーグの日本選手は400~500万円、練習生契約で200万円程度という例も聞く。もちろん、引退後のキャリア保証はない。
両リーグ統一の難しさ
こうした選手の待遇格差は協議力の格差につながる。昨シーズンのJBLで優勝したリンク栃木はプロクラブであるが、大きな親会社の存在を無視できない。同じJBLのプロクラブでも、大口スポンサーを持たないレイカム北海道は下位に低迷したままである。
JBLの企業選手の給与は親会社の賃金体系によるものであり、興行の成否とは無関係である。一方、bjリーグの選手の給与は興行の成否とクラブの収益に直結している。
1試合あたりの観客動員数ではbjリーグがJBLを凌いでいるし、レイカムラ北海道はJBLでトップクラスの動員力を誇るが、プロクラブが企業クラブに匹敵する給与を支払うためには、現在の倍以上の売り上げが必要である。
このまま統合しても、上位は企業クラブが、bjリーグのほとんどは、下位に甘んじる事になるであろう。逆に、企業クラブをすべてプロクラブ化すれば、ほとんどの選手の給与は大幅に減少する。両者の統合には、制度的・経営的に高度なテクニックが必要になると思う。
避けられない「プロ化」
企業スポーツは、近代化の過渡期で高度成長期だったわが国の、きわめて特殊な状況で発展した過去のシステムである。その条件のほとんどが失われた現在、競技の発展を志すのであれば、クラブやリーグの「プロ化」は避けて通れない。
この点で、bjリーグの挑戦は、バスケットボール界にとって極めて重要な意味がある。自ら興行を行わない企業クラブには経営やスポーツビジネスの人材やノウハウが蓄積されていない。bjリーグが四苦八苦して蓄積している人材やノウハウは、今後の発展に貴重になってくる。
(Sports Journal vol. 285, 46-47, 2010.)
バスケットボールを長く愛しておられる方達には、目新しい記事ではないのかもしれませんが、素人にっとては、判りやすい解説でした。
バスケ若葉マークの皆さんは、どう思われましたか?
決して恵まれた待遇ではなく、1年契約のbjリーグに飛び込んで、頑張っている選手達を、より一層応援したくなる気持ちが強くなりませんか?