2010年10月03日

bjリーグの貴重な挑戦

 たった今、新潟でのプレシーズンゲーム、レイクスがOTの末に敗れれたとの情報が…kao04
 しかし、プレです!早くホームでの開幕を迎えたいですね。あと、2週間足らずですよ!声の調子を整えましょうkao07


bjリーグの貴重な挑戦
 
 さて、スポーツジャーナルという日本体育協会が出している雑誌に「おカネ」で見るスポーツ現場という連載があり、直近刊行号のテーマが「bjリーグの貴重な挑戦」でした。
bjリーグの貴重な挑戦

 bjに最大限の関心寄せる人には興味をそそられるタイトルですが、この雑誌は非売品ですので、多くの人にの目に触れずに終わってしまいます。勿体ないので、内容をかいつまんで紹介したいと思います。

筆者 澤井和彦氏(江戸川大学 社会学部経営者社会学科)
bjリーグの貴重な挑戦

bjリーグとJBL
 2005年に開幕したbjリーグは今シーズン16チームとなり拡大しているが、高松ファイブアローズの運営会社が倒産するなど、経営は順調とはいえないようだ。
 一方、JBL(日本バスケットボールリーグ)は、8クラブ中6クラブが企業スポーツクラブである。企業スポーツ選手は企業の正社員である。

新潟アルビレックス
 bjリーグが設立される直前のJBLには、親会社が撤退して企業クラブからプロクラブへ移行した新潟アルビレックスが参加していた。営利企業である新潟アルビレックスは、興行を行って収益を挙げなければ、選手のサラリーを払えないが、企業クラブは興行を行う必要がない、とうよりはできない。
 当時、JBLは主に各地区協会が主催する全国巡業でリーグ戦を行っており、新潟は、現在のbjリーグの様な十分なホームゲームを確保できなかった。

bjリーグの立ち上げ
 JBL自体は1990年代中ごろからプロ化を志向していたが、企業クラブの 反対で実現に至らず、業を煮やした新潟と、2部に所属していたプロクラブのさいたまブロンコス(現、埼玉ブロンコス)がJBLを脱退してbjリーグを設立した。
 参加クラブの減少とライバルの出現に直面したJBLも、その後新しくプロクラブを加え、ホーム&アウェイ方式のリーグ戦をスタートさせた。しかし、相変わらずJBLのほとんどの企業クラブはJBLの内部の興行運営セレクションに興行を委託している。

bjリーグの貴重な挑戦


ふたつのリーグ、選手待遇の違い
 今年、両リーグは将来的に統合を目指すことで合意したと報じられているが、制度的な溝は深い。
 両リーグの年間運営費はともに2~4億円と言われるが、興行を行わないJBLの企業クラブは専属のスタッフを持たない場合も多く、運営費のほとんどが選手やコーチの人件費である。
 一方、bjリーグのプロクラブは、一般管理費などに加えて宣伝費や運営費などの割合が高く、サラリーキャップで選手の人件費総額を7,300万円(2009年)に制限している。
 このことが、両リーグの選手の待遇にかなりの格差を生んでいる。筆者(tomoyuiではないですよ)の独自の調査によれば、企業クラブの選手の報酬は嘱託契約選手で450~1,500万円、プロ契約選手で1,000万円から日本代表クラスで2,000万円にもなる。正規社員の選手は同年代の一般社員と同様の300~700万円だが、これに福利厚生と引退後のキャリア保証がつく。
一方、bjリーグの日本選手は400~500万円、練習生契約で200万円程度という例も聞く。もちろん、引退後のキャリア保証はない。

両リーグ統一の難しさ
 こうした選手の待遇格差は協議力の格差につながる。昨シーズンのJBLで優勝したリンク栃木はプロクラブであるが、大きな親会社の存在を無視できない。同じJBLのプロクラブでも、大口スポンサーを持たないレイカム北海道は下位に低迷したままである。
 JBLの企業選手の給与は親会社の賃金体系によるものであり、興行の成否とは無関係である。一方、bjリーグの選手の給与は興行の成否とクラブの収益に直結している。
 1試合あたりの観客動員数ではbjリーグがJBLを凌いでいるし、レイカムラ北海道はJBLでトップクラスの動員力を誇るが、プロクラブが企業クラブに匹敵する給与を支払うためには、現在の倍以上の売り上げが必要である。
 このまま統合しても、上位は企業クラブが、bjリーグのほとんどは、下位に甘んじる事になるであろう。逆に、企業クラブをすべてプロクラブ化すれば、ほとんどの選手の給与は大幅に減少する。両者の統合には、制度的・経営的に高度なテクニックが必要になると思う。

bjリーグの貴重な挑戦


避けられない「プロ化」
 企業スポーツは、近代化の過渡期で高度成長期だったわが国の、きわめて特殊な状況で発展した過去のシステムである。その条件のほとんどが失われた現在、競技の発展を志すのであれば、クラブやリーグの「プロ化」は避けて通れない。
 この点で、bjリーグの挑戦は、バスケットボール界にとって極めて重要な意味がある。自ら興行を行わない企業クラブには経営やスポーツビジネスの人材やノウハウが蓄積されていない。bjリーグが四苦八苦して蓄積している人材やノウハウは、今後の発展に貴重になってくる。

(Sports Journal vol. 285, 46-47, 2010.)


 バスケットボールを長く愛しておられる方達には、目新しい記事ではないのかもしれませんが、素人にっとては、判りやすい解説でした。
 バスケ若葉マークの皆さんは、どう思われましたか?

 決して恵まれた待遇ではなく、1年契約のbjリーグに飛び込んで、頑張っている選手達を、より一層応援したくなる気持ちが強くなりませんか?




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この記事へのコメント
「Bj リーグの貴重な挑戦」の記事 ありがとうございます。

プロ選手になりたい。NBAにも挑戦したい。それは子どもたちの夢であり目標です。

 日本にBjリーグができて、がんばってプロ選手になりたい。そう思っている小中学生はいっぱいいます。

 1年契約でも、Bjに飛び込んでがんばっている選手。ホントに応援したいですよね。

 滋賀のバスケは小・中・高とバスケットは盛んで,全国大会でも活躍しています。
 この国体では少年男子(光泉高校中心)がベスト4に入りましたし、滋賀教員が8月の教員大会で全国初優勝しています。

 滋賀県はバスケ界の指導者の長年の努力のおかげで、たくさんのバスケ・ファンがいます。

 レイクスの試合に集まるブースターを見ていてもそう思います。

 プロバスケットはホントおもしろいですし、自分の夢を追いかけている選手のがんばりをみんなで応援したですね。

 今日は野洲総合体育館で1日バスケの市民大会がありました。
 京都や奈良、長浜のチームもきてもらっての大会です。

  「バスケがうまくなりたい」と必死でがんばっている中学生を見ていて、
 プロバスケをもっと盛り上げていかないといけないと思いました。 
 
 
 
Posted by Lakeside at 2010年10月03日 17:44
tomoyui先生こんばんは!凄く分かりやすいです!
JBLとbjの違い。
今の若者はプロバスケ選手になれる可能性を秘めてる事が羨ましい
限りです。私の現役時代は、このままバスケを続けても・・・でしたから。
金銭面や将来の保障といった面ではまだまだですが、
「自分の好きな事をしてお金をもらう」
一度体験してみたいものです。
そういう夢と希望に満ち溢れた人達を応援してあげたいです、微力ですが。
Posted by なおきパパなおきパパ at 2010年10月03日 18:14
>LakeSide先生

こんばんは。

そうなんですよね。守山でレイクス選手のクリニックがあった時、ジョーが「将来bjリーグの選手になりたい人!」って言ったら、たくさんの小学生が、元気よく手を挙げて、ジョーがびっくりしてました。

でも、そのbjの選手達の待遇はこんなもんなんですね。
もっと、もっと、観客数が増えて、興行が安定しないと、選手の待遇が良くならないといけませんね。子供達の憧れなんですから。

滋賀教員チーム、凄いですね。滋賀県のバスケ熱、実はうらやましいです。
柔道、滋賀県では…。オリンピックを狙える高校生もいるけど、全国で一番柔道部がある高校の数が少ない。

また、どっかで愚痴るかもしれません。
Posted by tomoyuitomoyui at 2010年10月03日 21:11
>なおきパパさん

今日もお仕事、お疲れ様でした。
LakeSide先生のコメントにもあったように、滋賀県、実はバスケが盛んな県だったんですね。
なおきパパさんのように思ってる人もたくさんいるんだと思います。
微力も、時に大きな力になりますよね。

夢と希望に満ち溢れた若い人達を応援してあげるのは、大人の役割ですよね、もちろんバスケットに関らずです。
Posted by tomoyuitomoyui at 2010年10月03日 21:17
こんばんは♪

バスケが好き。

それだけじゃダメっていうのは、不思議ですね。

好きだから好き。
良いモノは良い。

それでバスケ界が活発になっていったら、皆が幸せなのにな~なんて思います。

すごくわかりやすいブログ記事、ありがとうございます。
もしよろしかったら、その雑誌、一度読ませて頂きたいです~。
Posted by とも香 at 2010年10月04日 23:33
>とも香さん

この記事の件、せんさんがブログに記事のリンクをはって下さいました。

経営学の先生が書かれた記事ですが、われわれ、駆け出しのファンにも判りやすく、勉強になりましたね。
Posted by tomoyui at 2010年10月05日 00:11
おはようございます。
コメントが遅くなりましたが、この記事は
日本のバスケ事情をわかりやすく教えてくれました。

JBLもbjも、長所短所それぞれありますが
選手の待遇面を考えると、やはりJBLの道へ進みたくなる
気がします。。
bjの収入面、ドラフト制度が改善されると良いのですが。。
統合リーグ、今のままでは順調にいかない気がしますね~。
Posted by あつ at 2010年10月05日 05:52
>あつさん

コメントありがとうございます。
トライアウトを受けるたくさんの選手達。
bjリーグを目指す選手はたくさんいますよね。

僕がまだ、全然知らないことばっかりですが、どちらのリーグに進むかは、選手達はどうやって決めてるんでしょうか?
始めからbj? 声がかかればJBLに行きたかった?

職業としては、これほど不安定なリーグを選ぶのは、やっぱり純粋にバスケットボールが好きだから…だと思いたいです。

社会人野球を始めとする企業スポーツも、継続が困難になりつつあると思いますが、JBLの各クラブは今のまま続けていけるんですかね?

まだまだ、僕には、よくわかんないことだらけです。
Posted by tomoyui at 2010年10月05日 22:23
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